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伊達移住者の体験記 > 伊達暮らし42 讃岐の春
伊達市に移住をされた方に、日々の様子を綴っていただくコーナー。
横浜から移住された池田武史さん。 3月末に、四国路を旅して、早春の風景を楽しまれたそう。池田さんの四国のキーワードは、「早春、菜の花、お遍路さん」。 その時期を狙って尋ねた四国路のスケッチをお届けくださいました。
讃岐平野は、何とも平坦なところにポコポコと低山が突然出っ張ってきている風景だ。山並みが連なり、山裾が大きく広がるということがない。平野の中にそれほど高くない単独峰がポツンポツン湧き出でている。なるほどこの地形は雨水が溜りづらいなあと感じた。元々降雨量が少なく、この地形だと水を確保するのはつらそうである。昔からため池を作り、雨水の確保をして農業用水に回していたのは、気候や地形の成せる技であること感じた。 今回讃岐の春を満喫した。野は小麦や玉ねぎの緑の葉や菜の花、からし菜などのあぶらな科の黄色の花が明るい風景を作っている。 栗林公園は、背景の山が効いている。平板な風景でなくなる。ちょうど白もくれんが満開で、周囲の木々の中に明るく浮き出て、池の方に張り出して、公園の中でのアクセントを成している。 桜はまだ二,三分咲きくらいだったが、公園内は晴れて暖かかったので気持ちよく回ることができた。うぐいすの初声も聞けて、余計春の訪れが感じられた。 四国は歴史の国である。 善通寺が弘法大師の生まれ故郷だということも初めて知ったし、弘法大師が四国八十八カ所巡りと大きく絡んだ方ということも、何となくボアッとしていたことが、はっきりとした。 大師が善通寺を建立されてから1200年以上の年月が経つ。 屋島は源平の合戦の古戦場だし、栗林公園も元亀、天正のころの豪族に端を発しているということで長い歴史の中に存在しつづける。 こんぴらさんの長い石段もテレビで見てる程度で、初めてここを登ると神奈川の大山のおみやげ屋さんが並ぶ石段が思い出された。そこよりも、ずっと高く登るのだが。
善通寺に向かう車中で黒い瓦の屋根、屋根の連なりと早くも飾られた鯉のぼりを見た。これは、もしかして「甍(いらか)の波と雲の波」と歌われたあの「こいのぼり」の歌詞の風景ではないか。小麦はもう緑色の穂が出るほどに成長して、遠目には緑の原である。菜の花、からし菜の黄色の花は野のあちこちに見かけた。こんぴらさんの商店街では、ツバメが軒下をすいすいと飛びまわっていた。 大野原地区の山里を回っていると、山肌に花桃の濃いピンクの花や梅の花が見えた。車を止めて、畑の中の道を歩いてその花の咲く小高い山肌まで行ってみた。少し登ると、玉ねぎの緑の葉が並ぶ畑の向こうに家々が並ぶ集落があり、鯉のぼりが時々の風でふあふあと舞う。花桃の木はそんなにあるわけではないが、ちょうど花が開いて、一部蕾もあるという状態で見頃だった。喧騒はなく、ときどき犬のなき声やうぐいすの声が聞こえる、光のどけき春の日である。 「神、空に知ろしめす。すべて世はこともなし」(R・ブラウニング 春の朝 上田敏訳) こんな場所や状態が「桃源郷」なのかもしれない。 しばし三人で、この静かな山里の景色と風情を楽しんだ。 観音寺から高松経由で徳島に向かう車中で、前述の印象、心象風景を上の絵に描いてみた。 絵は便利だと思う。印象を合体して、現実世界ではないが、心にはそのように映っていることを表現できる手段である。なべて、ならして、総合化して、まあこんなもんかの世界を表現できる素晴らしさがある。08-4-3記
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